タイやフィリピンで、日本人の詐欺グループが逮捕されるというニュースが出ていますね。
詐欺グループの主犯格の逮捕ということです。
日本の詐欺集団は、すでに海外に拠点を移し始めているのですね。
海外から指示を出して、電話を掛けさせ、日本の高齢者に詐欺を繰り返していました。
その詐欺グループには、実行犯のノルマがあり、かなりきびしい犯行ノルマだったようです。
まじめに仕事をすればいいのに、どこでどう間違ったのでしょうか。。
また、最近は、公官庁からの書類に見せかけたりする詐欺も多発していて、かなり手口が巧妙になっています。
突然、裁判所から裁判開始の通知など、こういう書類が届くと、普通であれば、驚いてしまうくらいの偽書類です。
この記事では、最近の詐欺の手口などについて、お伝えしていきたいと思います。
振込め詐欺は、別名、オレオレ詐欺とも言われ、特殊詐欺といわれます。
日々、巧妙になっています。気を付けましょう。
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海外に詐欺グループの拠点
詐欺グループは、フィリピン、タイなどの東南アジアに拠点を作ったりしていますね。
日本国内では、すぐに摘発されてしまったり、施設の維持費が高いなどの理由で、海外に拠点を移しているものと思います。
2019年3月29日、タイのパタヤで日本人15人が、不法就労の疑いで逮捕されました。
タイ政府によると、建物の部屋に無数の電話が並べられていて、不審に思った建物オーナーが関係政府機関に通報して発覚しました。
もし、建物オーナーが気づいて通報していなければ、詐欺グループが摘発されることはなかった、ということです。
この拘束された日本人15人は、日本に電話をかける、いわゆる「かけ子」と見られています。
日本人男性15人、22歳から54歳までと、年齢は幅があるようです。
このグループがアジトにしていた一戸建ての住宅は、敷地面積が約720平方メートルとかなり広大です。
5LDKでプール付き、家賃は管理費込みで月額約23万円で、かなり安い物件と言えるでしょうか。
このグループは、建物を借りて、日本に向けて詐欺電話をかけていた疑いが持たれています。
この建物内から、50台程度の電話機、20台のパソコン、日本語で書かれた振込め詐欺マニュアルが見つかった模様です。
マニュアルには、「相手の情に訴えるようにトークしろ」など、10ページにわたって、電話でのトーク内容が記載されていたようです。
今後の捜査の進展が待たれます。
詐欺グループの海外拠点展開についても、拠点開設の真相が明らかにされ、詐欺グループの撲滅が進むことに期待したいです。
詐欺の手口の悪質化
東南アジアに拠点を移して、かけ子に詐欺電話をかけるという、摘発を恐れての対策を取り、詐欺電話のマニュアルを作り、かけ子にノルマを設定して、ガンガン電話させていたのでしょう。
家賃が比較的安く、広い物件が借りられる、物品が安い、金に目がくらむ日本人が確保できるという条件が、海外ではそろうのでしょうか。
下の写真は、パタヤの拠点に貼られていたものです。

出典 タイ警察
代表的な詐欺手法
- カードすり替え詐欺
- かばん無くした詐欺
- 市役所、税務署職員等を名乗る還付金詐欺
- 裁判所を名乗る詐欺
- 有料サイト利用料詐欺
- 郵送詐欺
- はがき・封筒による架空請求詐欺
- 融資・保険金詐欺
まだまだ詐欺手法はありますが、代表的なものを列挙してみました。
騙されないように、それぞれの手口を把握しておきましょう。
どういう人が詐欺グループに加わってしまうのか
なぜ、詐欺グループに加わってしまうのか、というのが気になりますね。
主犯は、どういう属性の人間なのか、事件の解明が待たれますが、反社会的勢力か半グレなのか、ですが、かけ子というのは、全員が、そういう属性の人ではない気もします。
もしかしたら、海外で稼げるバイトがあるとか、人から紹介されて、働いてみたら、詐欺の片棒を担いでいた、という場合もあるかも知れません。
知らずに詐欺に加担していたとすると、なんとも悔やみきれないですね。
やはり、高額のバイトがあるなど、美味い話には、裏があると警戒したほうがいいですね。
東南アジアでは、日本人が日本人を騙す事件も多発しています。
海外にいると、日本人だと思うと、警戒感が解けてしまい、油断しがちです。
電話帳を使うという古典的な手法
かけ子はどこから電話番号を入手していたのでしょうか。
他の振込め詐欺の事例ですと、NTTの電話帳を使うという、簡単に手に入るものを使っていたようです。
そして、電話番号リストなども売り買いされていますので、そういう業者からも購入していたようです。
また、卒業名簿なども利用されるようです。
電話帳というのは、掲載拒否も出来ますので、不安な方は、NTTに申し出ましょう。
電話番号がすぐにわかるので便利であり、悪用されないだろうという性善説に基づいていた電話帳というサービスですが、こういう風に悪用されると、自己防衛せざるを得ないですね。
偽造文書も進化している詐欺
例えば、突然、身に覚えのない請求内容と裁判手続きなどを開始するという文面が送られてきます。
筆者も数回、受け取ったことがあります。
この詐欺の手口は、受取った側の不安を煽り、金を振り込ませようとするものです。
身に覚えがなくても、こういう詐欺についての知識がなければ、不安になってしまい、文面に記載されている電話番号に電話してしまうと思います。
この電話番号にかけると、詐欺グループの思うつぼです。
巧みに振込まで誘導されてしまいます。
こういう種類の文面を受取ったら、警察に相談しましょう。
具体的事例は、警察庁のHPから確認いただけます。
かけ子、出し子、受け子という、末端の現場担当 | 知らずに加担していても犯罪です
かけ子、出し子、受け子等は、振込め詐欺(特殊詐欺)の末端です。
作戦指示を出す主犯、電話をかけるかけ子、金銭などを引き出す出し子など、金銭を受取る受け子など、役割分担がされています。
子役は、犯罪の末端です。
軽いアルバイト感覚でやっているケースもあるようです。
ただ、知らなくても犯罪は犯罪です。
捕まれば、処罰されます。
振込め詐欺の刑罰
振込め詐欺(特殊詐欺)は、詐欺罪に該当します。
未遂であっても、詐欺未遂罪となります。
次に、現金を奪う、金融機関の口座から奪うなどの他人の財物を奪う行為は、窃盗罪に該当します。
振込め詐欺は、組織的な犯罪がほとんどだと思います。組織犯罪であれば、組織的詐欺罪に該当します。
複数の罪名で併合罪となると、かなり重たい懲役刑となります。
バイト代が高額なのは、何かのリスクがあるか、身体的拘束が激しいなどの何かの制約があるからです。
気軽に手伝うと、大変なことになります。
少しでもおかしいなと思ったら、子役などすぐにやめて、弁護士に相談しましょう。
振込め詐欺が摘発された事例
振込め詐欺か摘発された事例を見てみましょう。
どういうきっかけで、逮捕に至ったかを見れば、類似した手口が見破れると思います。
オレオレ詐欺を高齢女性が見破りました。
都内に住む70代女性に嘘の電話をかけ金をだまし取ろうとしたとして、小島令大容疑者ら2人が、詐欺未遂の疑いで逮捕されました。 女性は去年11月、息子を名乗る男から「150万円を用意できないか」という電話を受けましたが、女性にはそもそも息子がおらず、この電話をオレオレ詐欺と見破り逮捕につながりました。 調べに対し、2人は容疑を否認しています。
出典:テレビ東京(2019/7/19)
https://www.tv-tokyo.co.jp/mv/you/news/post_181785/
これについては、分かりやすいですね、そもそも息子などいないから、詐欺だと見破れたということです。
振込め詐欺 まとめ
詐欺グループの詐欺の手口は、日々巧妙になっています。
少しでも不審に思ったら、家族に相談するか、警察に相談しましょう。
一人で判断するのは、とても危険です。
怪しい電話があった場合、連絡先と担当者名などの情報を聞いておき、こちらから電話などで折り返して、担当者がいるか、確認するという慎重さがあっていいと思います。
詐欺をするのは、犯罪で許されない行為です。
反社会的勢力の資金調達手段なのか、大本の組織は何なのか、個別の事例で違いがあると思いますが、犯罪組織や手口の解明が進むことが、健全で平穏な社会に必要だと思います。